ドイツの住居|賃貸・購入・家賃相場・探し方– 長期滞在・短期滞在に向けた住まい探しの完全ガイド|家賃相場・契約手順・トラブル回避まで網羅 –

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ドイツ移住を検討する際に避けて通れないのが「住まい探し」です。
特に滞在ビザの申請では、事前に住居の確保が求められることが多く、計画的な準備が必要になります。

この記事では、ドイツにおける賃貸住宅の家賃相場、物件の種類、探し方、契約の流れと注意点に加え、将来的に不動産を購入する可能性についてもわかりやすく解説します。

さらに、フリーランスビザやブルーカードなど、長期滞在ビザの申請時に必要となる「住居証明書(Wohnungsgeberbestätigung)」への対応方法も詳しく紹介しています。

目次

ドイツの住居タイプと特徴|移住者が知っておきたい賃貸住宅の基本

ドイツでの住まい探しは、日本と大きく事情が異なります。建物の構造や間取り、設備の考え方にも違いがあるため、事前に住居タイプを理解しておくことが重要です。以下に、ドイツで一般的な住まいの種類とその特徴をまとめました。

種類説明特徴
Wohnung(ヴォーヌング)一般的な集合住宅。日本のマンションやアパートに相当家具なし(Unmöbliert)が基本。都市部では階段のみの建物も多く、築年数の古い物件は断熱性に注意
Einfamilienhaus(アインファミリエンハウス)一戸建て住宅家族向け。郊外に多く、庭付きもある。暖房やメンテナンス管理の確認が必要
WG(Wohngemeinschaft)ルームシェア、フラットシェア若者や学生に多い。個室+共有スペース(キッチン・バス)。家賃は€300〜600前後が一般的
1-Zimmer Wohnung(アイン・ツィマー)ワンルームタイプの住居単身者向け。キッチン付きの場合もあるが、面積は狭め
Möbliertes Apartment(家具付き)家具・設備付きの賃貸住宅短期契約向け。法人駐在員などに利用されることが多く、家賃は高め

ドイツ物件でよく見かける用語

  • Kaltmiete:家賃(光熱費を含まない基本額)
  • Warmmiete:光熱費・管理費込みの総額
  • Nebenkosten:水道・暖房・管理費などの副費用
  • Unmöbliert / Möbliert:家具なし/家具あり
  • Einbauküche (EBK):備え付けキッチン(キッチン設備付き)

短期向け住居の選択肢|ビザ待機・下見・ノマドにも便利

移住初期やビザ申請中の滞在先として、以下のような短期〜中期向けの住居オプションがあります。

種類説明特徴
Airbnb家具付き・光熱費込みの短期賃貸日本からも簡単に予約可。長期割引やレビューあり。都市部では人気物件の競争が激しい
サービスアパートメントWi-Fi・清掃サービス付きの滞在型住宅ベルリン・フランクフルトなどに集中。法人契約向け。価格は€1,500〜3,000/月
中期賃貸(Zwischenmiete / befristeter Mietvertrag)数ヶ月単位の期限付き賃貸3〜11ヶ月が多く、Dビザ(例:フリーランスビザ)申請時にも利用可能
コリビング(Coliving)個室+共用空間を持つシェア住宅デジタルノマドに人気。都市部に拠点が多く、コミュニティ活動がある施設も。例:The Base、Hafven、St. Oberholzなど

こんな人におすすめ

  • 渡航後に現地で物件を見てから長期契約したい人
  • ビザ取得前後の一時滞在先を探している人
  • ノマドスタイルでドイツ国内を移動しながら暮らしたい人

利用時の注意点(ドイツ版)

  • Airbnb:大都市では営業規制がある(例:ベルリンでは年間の貸出日数制限や登録制あり)。中長期滞在の場合は「Monatlicher Aufenthalt」などで検索。
  • サービスアパートメント:家賃は高めで、法人向け契約が優遇される傾向あり。住宅証明書(Wohnungsgeberbestätigung)が出ない物件もあるため要確認。
  • 中期賃貸:契約延長ができないこともある。滞在許可の更新や住所登録(Anmeldung)に影響する場合があるので、契約期間と移民局での手続きタイミングを要調整。
  • 住居証明の取得:ビザ申請や住所登録時に必要な「Wohnungsgeberbestätigung(住居提供者証明書)」を発行してもらえるか、事前に確認必須。

ドイツ主要都市の家賃相場(2025年最新版)

ドイツでは都市ごとに家賃水準に大きな差があります。特に首都ベルリンや経済都市ミュンヘンでは家賃高騰が続いており、移住者は住まい探しの戦略が重要です。

以下に、主要都市の1LDK・3LDKの賃貸相場(中心部・郊外)をまとめました。

都市名1LDK(中心部)1LDK(郊外)3LDK(中心部)コメント
ベルリン€1,200〜1,700€900〜1,300€2,200〜3,200家賃高騰中。新規契約は特に割高。登録制や住宅不足も課題。
ミュンヘン€1,500〜2,200€1,100〜1,600€2,800〜4,000ドイツで最も高額。外資系駐在員や富裕層が多いエリア。
フランクフルト€1,200〜1,800€950〜1,400€2,000〜3,000金融都市で国際層が多く、短期契約物件も多い。
ハンブルク€1,000〜1,500€800〜1,200€1,800〜2,700港町。郊外は比較的静かで緑も多く人気。
ライプツィヒ/ドレスデン€700〜1,000€600〜850€1,300〜1,800家賃は比較的安価。若者やノマドに人気。東部エリアの穴場。

家賃に影響する要素

  • 家具の有無(Möbliert / Unmöbliert
  • 光熱費込み(Warmmiete)か、抜き(Kaltmiete)か
  • 築年数・断熱性能(Altbau / Neubau)
  • エレベーターや地下倉庫の有無
  • 駅からの距離や治安、騒音環境

ワンポイント解説

  • 1LDK相当:ドイツでは「1-Zimmer Wohnung(ワンルーム)」または「2-Zimmer Wohnung」が該当
     → 2 Zimmer は寝室+リビングの構成。単身者やカップルに人気。
  • 3LDK相当:「4-Zimmer Wohnung」などが一般的
     → 子どもがいる家族やルームシェア向け。100㎡以上の広さも珍しくない。
  • 郊外エリアは家賃が抑えられ、ファミリー層や静かな生活を好む移住者に人気
     → ベルリン郊外のポツダム、ミュンヘン郊外のフライジングなどが人気。

ビザ申請時の注意点:住居契約書が必要

ドイツにおいても、多くの長期滞在ビザ(例:フリーランスビザ、ブルーカード、学生ビザなど)を申請する際には、居住先の証明(Wohnnachweis)の提出が求められます。

これは、以下のような書類によって証明するのが一般的です:

  • 賃貸契約書(Mietvertrag)
  • 住居提供者証明書(Wohnungsgeberbestätigung)
  • 住所登録証(Anmeldebestätigung)

ビザ申請前に確認しておくべきポイント

  • 正式な賃貸契約書(Mietvertrag)が発行されるか
  • 契約が申請者本人名義であるか
  • 契約期間がビザの要件を満たしているか(原則として3ヶ月〜6ヶ月以上)
  • 短期滞在契約(例:Airbnbやウィークリーマンション)は認められないことが多い
  • 「Wohnungsgeberbestätigung(住居提供者証明書)」が発行されるか

特に注意すべき点

ドイツでは、住所登録(Anmeldung)がビザ申請や銀行口座開設、健康保険加入の前提になることが多く、
そのためには住宅提供者が発行する「Wohnungsgeberbestätigung」が必須です。
この書類がないとAnmeldungができず、ビザ手続きが進まない
可能性があります。

また、滞在許可(Aufenthaltstitel)を申請する際には、
電気やガスなどの公共料金の請求書(Nebenkostenabrechnung)が追加で求められることもあります。

安心して進めるために

  • 滞在先がAnmeldung可能かどうかを事前に確認しましょう。
  • フリーランスビザブルーカードの審査は州ごとに対応が異なるため、申請予定の都市のAusländerbehörde(外国人局)公式情報を必ず確認してください。
  • 不安がある場合は、現地のビザコンサルタントや移民弁護士に事前相談することをおすすめします。

ドイツで賃貸物件を探す方法

ドイツで賃貸物件を探すには、オンラインとオフラインを併用するのが基本です。特に近年はオンライン経由の物件探しが主流で、語学力や滞在目的(短期/長期)、希望エリアによって最適な探し方は異なります。

オンラインで探す:ドイツ全土に対応した主要ポータルサイト

ドイツでは、不動産専用ポータルを通じた物件探しが一般的です。以下に代表的なサイトを紹介します。

サイト名特徴向いている人・用途備考
Immobilienscout24(イモビリエンスカウト24)ドイツ最大の物件サイト。検索条件が非常に細かく設定できる初めて物件探しをする人、エリア比較をしたい人英語表示可。人気物件は即日掲載終了も
Immonet(イモネット)中〜高価格帯の物件が多く、都市部に強い長期滞在や家族向け物件を探している人地図検索や詳細写真が豊富。管理会社掲載が多い
WG-Gesucht(ヴェーゲー・ゲズークト)シェア物件(WG)の定番サイト。1人暮らしや学生に人気短期滞在・語学留学・ワーホリなど個人間のやりとりが基本。詐欺に注意
Ebay Kleinanzeigen(イーベイ・クラインアンツァイゲン)掘り出し物や個人貸し出し物件あり。現地ローカル色が強い家賃を抑えたい人、独自ルートで探したい人ドイツ語のみ。個人オーナーとの交渉力が問われる
HousingAnywhere(ハウジングエニウェア)家具付き・短期契約物件が中心。英語で検索・契約可能ワーホリや駐在・インターンなど初期滞在に保証金支払い前に本人確認済の物件か確認を推奨

ポイント:ドイツ語で検索した方が物件数が多く表示されます。
例:「Wohnung mieten Berlin(ベルリン 賃貸 アパート)」など。

現地で探す:ローカルならではのネットワーク活用

ドイツでも、現地に到着してから物件を探すことで、オンラインには掲載されていない物件や、地元ネットワークを活かした掘り出し物件に出会えることがあります。特に、長期滞在やビザ取得を見据える場合には、実際に物件を見て契約できる安心感が重要です。

不動産仲介会社(Immobilienmakler)

ドイツ各都市(ベルリン、ミュンヘン、フランクフルトなど)には、地域密着型の不動産エージェントが数多く存在します。

  • 店舗に掲示された空室情報を直接訪問して確認できるスタイルも一般的
  • 仲介手数料(Provision)は、借主負担なし(Vermieter zahlt Provision)とする法規制もありますが、一部高級物件や短期契約では例外あり
  • 長期滞在者や家族向けに、信頼性の高い契約サポートが受けられるメリットも

街中の掲示板・貼り紙(Zu vermieten)

カフェ、大学、学生寮、教会、語学学校の掲示板には「貸します(Zu vermieten)」の張り紙が出されていることがあります。

  • 特に学生街やシェア物件エリアでは効果的
  • 個人貸主と直接やり取りできるため、柔軟な条件交渉が可能
  • 一方で契約書や住居証明書が発行されるかを事前に要確認

Facebookグループ・WhatsAppコミュニティ

現地在住の外国人・日本人コミュニティが活発な都市(例:ベルリン、デュッセルドルフ、ミュンヘン)では、SNSを活用した物件情報のシェアが盛んです。

  • 例:「日本人 ベルリン 賃貸」「Berlin Housing」「WG gesucht Germany」など
  • 短期物件やルームシェア情報が多く、リアルタイムで更新される
  • 詐欺防止のため、支払いは対面確認後に行うことが基本

日本語サポートの不動産サービスを活用する

ドイツでは基本的にドイツ語/英語対応が主流ですが、日本人の多い都市では日本語対応可能な不動産サポートサービスも一部存在します。

例:日本語サポートありの企業

エージェント名特徴URL
Relo Japan Germany駐在員向けの総合サポート(住宅・学校・ビザ)https://www.relojapan.com/
H&R Relocation日本語対応あり。住宅紹介+Anmeldung対応サポート付きhttps://www.hr-relocation.de/ja/
Japan Germany Serviceベルリン・デュッセルドルフ中心。現地案内に強みhttps://www.japan-germany.com/

※ 日本語対応は混雑することがあるため、早めの問い合わせ・予約がおすすめです。

物件探しのコツ

  • 現地内見がもっとも確実:写真ではわからない建物の古さ、断熱性能、騒音などを確認できます。
  • 契約書は慎重に確認:ドイツ語の契約書が一般的。第三者の確認か翻訳サポートを活用しましょう。
  • 最低限の用語を覚えておくと便利
    • Möbliert(家具付き)/Unmöbliert(家具なし)
    • Warmmiete(光熱費込み)/Kaltmiete(家賃のみ)
    • Mietvertrag(賃貸契約書)/Nebenkosten(副費用)

実践アドバイス:まずは短期〜中期滞在からスタート

ビザ申請時には、渡航前に住居契約書を用意しておくことが原則ですが、実際の生活では、最初は1〜3ヶ月の短期/中期滞在用の家具付き物件を確保し、現地でじっくり長期物件を探すのが一般的な流れです。

  • 例:HousingAnywhere、Spotahome、Wunderflats などの短期対応物件で契約書を発行してもらえる物件を選ぶと、ビザ要件にも対応しやすいです。

このように、ドイツでの住まい探しは「オンライン+ローカルネットワーク+実地確認」の三本柱をバランスよく活用することが成功のカギです。

ビザ申請時に必要な「住居証明」とは?仮住まいと正式契約の違いに注意

ドイツで中長期ビザを取得する場合、多くのケースで住居証明(Wohnnachweis)の提出が求められます。これは正式な賃貸契約書(Mietvertrag)住居提供者証明書(Wohnungsgeberbestätigung)のことを指し、仮の宿泊先や予約確認書では認められない場合があります。

この記事では、ビザ審査をスムーズに進めるための住まい戦略と、仮住まいと正式住居の違いを解説します。

どのビザで住居証明が必要?

以下のような中長期滞在ビザでは、申請時に住居を確保していることが前提となり、正式な契約書類の提出が求められます。

  • フリーランスビザ(Selbständige Tätigkeit)
  • ブルーカード(Blue Card EU)
  • 学生ビザ(Studienvisum)
  • 言語学習ビザ(Sprachkursvisum)
  • 配偶者ビザ(Familiennachzug) など

よくある誤解:Airbnb予約ではNGなことも

渡航直後にAirbnbやホテルで生活することは可能ですが、ビザ申請時点では「法的に有効な住居契約書」の提出が必要とされます。

比較項目Airbnb等の予約確認書賃貸契約書(Mietvertrag)
契約者名予約者名のみ滞在者のフルネームを明記
契約期間数日〜数週間原則3ヶ月以上(要件次第)
書類形式PDF/メール本文など法的効力のある契約書(署名付きPDF)
ビザ対応可否✕ 認められない可能性が高い〇 ほとんどの大使館・移民局が要件として明記

ビザ申請と家探しを両立する「段階的アプローチ」

ドイツ移住においては、ビザ取得の要件現地での快適な生活を両立させるために、「段階的な住まい確保戦略」を取るのが現実的で効果的です。

STEP

ビザ申請用に短期〜中期契約の物件を確保(渡航前)

  • Wunderflats、HousingAnywhere、Spotahome などのプラットフォームで、3ヶ月程度の短中期契約の物件を確保
  • 正式な賃貸契約書(Mietvertrag)や、住居提供者証明書(Wohnungsgeberbestätigung)を発行してもらえる物件を選ぶ
  • 一部のAirbnb物件でも、オーナーとの事前交渉次第で書類対応可
  • この段階では、「住みやすさ」よりも「ビザ要件を満たせるか」が最優先

ポイント:家具付き、光熱費込み、住民登録(Anmeldung)可能かを必ず確認

STEP

渡航後に本格的な住まい探しをスタート

  • 実際にエリアの雰囲気や通勤動線、生活のしやすさを体感しながら内見
  • 長期契約(1年以上)の住まい探しを現地で本格化
  • Immobilienscout24、WG-Gesucht、地元不動産業者、Facebookグループ、日系コミュニティなどを活用して選択肢を広げる

ドイツでは書類審査や入居面談があるため、準備期間に余裕をもたせるのが理想

STEP

生活基盤を整えたうえで長期契約へ移行

  • ビザの更新や生活の安定に合わせて、長期賃貸契約(通常1年〜)に切り替え
  • 気に入った物件が見つかれば、家具の購入や住民登録(Anmeldung)、各種契約(電気・インターネット等)にも着手
  • 長く住める場所が見つかることで、精神的な安定にもつながる

まとめ:まずは「ビザに通る家」、その後「暮らしやすい家」を探す

ドイツ移住における住まい探しは、以下のように2段階戦略で進めるのが現実的です。

  1. ビザ申請を通すための“仮住まい”(要件を満たす短期賃貸)
  2. 現地生活で見つける“本命の家”(長期契約で快適な暮らし)

不安がある場合は、ビザ対応に慣れた不動産エージェントや日本語サポート付きサービスに相談するのも効果的です。

ドイツでの賃貸契約の流れ|初めてでも安心なSTEPガイド

ドイツで賃貸物件を契約する際の一般的な流れを、STEP形式でわかりやすく解説します。
初めてドイツで部屋を借りる方でも安心して手続きできるよう、必要書類や注意点もあわせて紹介します。

STEP
物件を探す

まずはオンラインで希望条件に合う物件を探しましょう。ドイツ全土をカバーするポータルサイト(Immobilienscout24、Immonet、WG-Gesuchtなど)を利用すれば、エリア・家賃・間取り・家具の有無などを細かく検索できます。
Möbliert(家具付き)やWarmmiete(光熱費込み)のフィルターを活用すると便利です。

都市部では、不動産エージェント(Immobilienmakler)を通じて紹介を受けるのも一般的です。ドイツ語に不安がある場合は、英語対応や日本語サポートがある業者を選ぶと安心です。

STEP
内見・契約条件の確認

気になる物件が見つかったら、現地で内見を行います。建物の状態や断熱性、周辺環境(交通・騒音・治安)を自分の目で確認しましょう。
エレベーター、洗濯機置き場、インターネット環境なども見ておくと安心です。

契約前には以下の条件をよく確認してください:
・家賃(Kaltmiete / Warmmiete)
・契約期間(befristet:期間あり/unbefristet:期間なし)
・敷金(Kaution)、手数料(Provision)の有無
・副費用(Nebenkosten)の詳細
・ペットの可否、退去通知期間、更新条件など

STEP
必要書類の提出

契約を進めるには、以下の書類を求められるのが一般的です:
・パスポート(滞在許可がある場合はその証明も)
・収入証明(直近3ヶ月の給与明細、雇用契約書、銀行残高証明など)
・学生やフリーランスの場合は、ビザや証明書類
・SCHUFA(信用情報)※一部の物件では不要

補足:外国人初渡航者向けの物件ではSCHUFAが不要な場合もありますが、提出できると審査がスムーズに進みます。

STEP
契約書の確認と署名

賃貸契約書(Mietvertrag)は通常ドイツ語で作成されます。内容を理解するために、翻訳アプリの活用や、通訳者・法律専門家の確認サポートを受けると安心です。

契約内容に問題がなければ、貸主と借主が署名し契約成立となります。署名後は契約書のコピーを必ず受け取り、手元に保管しておきましょう。

STEP
敷金・初期費用の支払い

契約成立後、初期費用を支払います。
・敷金(Kaution):通常、家賃の2〜3ヶ月分。専用の預かり口座(Kautionskonto)に預けられ、退去時に返金されます(原状回復が前提)
・初月家賃や管理費、場合によっては仲介手数料(Provision)が必要です。これらは契約締結後、通常数日以内に振込を求められます。

補足:家賃の支払いと領収書(Zahlungsnachweis)

ドイツでは、家賃は毎月月初に銀行振込または自動引き落とし(Lastschrift)で支払います。領収書は発行されないのが一般的ですが、銀行の取引明細(Überweisungsbeleg)や口座履歴が公式な支払い記録となります。

これらはビザ更新、住民登録(Anmeldung)、税務処理時に必要になることがあるため、必ず保存しておきましょう。

現地で内見できない場合は?|ビザ申請前の日本からの契約について

ビザ申請に住居証明(MietvertragやWohnungsgeberbestätigung)が必要な場合、日本にいながら賃貸契約を結ぶ必要があります。しかし、ドイツでは内見なし契約を受け入れない貸主も多いため、以下の対策が重要です。

対応可能な物件タイプ・プラットフォームを選ぶ

以下のような短期〜中期滞在対応のプラットフォームでは、外国人向けに内見なしでも契約可・書類発行可の物件が多く掲載されています。

プラットフォーム特徴ビザ申請用の契約書発行
Wunderflats家具付き・3ヶ月以上の中期賃貸○(Mietvertrag + Wohnungsgeberbestätigung)
HousingAnywhere若者・学生向け多国籍対応○(PDF契約書あり)
Spotahome物件ビデオあり/遠隔契約に特化○(英語対応)
一部のAirbnb物件オーナーに交渉すれば対応可△(要交渉)

ビデオ内見・代理人確認の活用

  • 多くのオーナーやエージェントは、ビデオ通話での内見(Live viewing)に応じてくれます。
     → 質問したいポイントは事前にリスト化しておくのが◎
  • ドイツ在住の知人・友人・信頼できる日本人サポートサービスに代理内見を依頼することも可能です。

賃貸契約時の確認ポイント(現地に行けない場合ほど慎重に)

  • 契約書(Mietvertrag)が正式な書面(PDF)であること
  • 住居提供者証明書(Wohnungsgeberbestätigung)も発行可能か
  • Anmeldung(住民登録)対応可の住所か
  • 物件に関する不明点は文書またはビデオで記録を残す

契約に不安があるときは?

  • 外国人向けに対応経験がある不動産業者やコンサル会社を選ぶ
     → 日本語または英語サポートがあると安心
  • 事前に契約書を確認してくれる移住サポートサービス法律専門家に依頼するのも有効です

まとめ:遠隔契約でも「ビザに通る書類」が発行されるかが最重要

  • 「Mietvertrag + Wohnungsgeberbestätigung」の2点セットがあれば、多くのドイツ大使館のビザ要件はクリアできます。
  • 内見できなくても、対応可能なプラットフォームや物件を選び、必要書類が発行されるか事前確認すれば、日本からでも問題なくビザ申請が可能です。

注意点とトラブル防止策(ドイツ編)

ドイツでの賃貸契約は、日本とは異なる契約文化や法律体系のもとで行われます。言語の壁、書類審査、詐欺リスクなど、移住者が直面しやすいトラブルを未然に防ぐため、以下の点に注意しましょう。

1. 言語の壁:契約書は基本的にドイツ語

賃貸契約書(Mietvertrag)は通常ドイツ語で作成されます。内容を正確に理解しないまま署名すると、不利な条件や不明確な取り決めを見落としてしまうリスクがあります。

対策:

  • 翻訳サポートを活用する:Google翻訳やDeepLのようなツールで内容を確認しつつ、重要箇所は信頼できる第三者や専門家にチェックを依頼。
  • 法律・不動産の専門家に相談する:現地の弁護士(Rechtsanwalt)や移住コンサルタントに事前チェックを依頼するのも安心。

2. 書類審査・信用情報:ビザや収入の安定性が重視される

ドイツでは、安定収入があること、信用情報(SCHUFA)が良好であることが契約の大前提とされます。外国人や初渡航者は、書類不備や収入条件で審査に落ちるケースも。

対策:

  • 必要書類を揃える:給与明細(3か月分)、雇用契約書、銀行残高証明、ビザのコピーなどを事前に用意。
  • 保証人・法人契約を活用:現地に知人・勤務先があれば保証人や法人名義での契約が可能な場合も。
  • 前家賃の一括払いを提案する:信用情報が不十分な場合、3か月〜6か月分を前払いすることで契約が成立することもあります。

3. 詐欺物件:個人取引や条件が良すぎる物件には要注意

ドイツでも、実在しない物件、架空のオーナー、不自然な前金要求などの詐欺例があります。特に英語でのやりとりのみ/内見不可/格安家賃/支払い先が海外といった特徴のある物件は注意が必要です。

対策:

  • 内見は必ず行うか、信頼できる代理人に依頼:現地確認なしの送金は避ける。
  • 信頼できる不動産エージェント経由で探す:Immobilienscout24などで「geprüfter Anbieter(認定業者)」表示のある掲載者を優先。
  • 個人チャットやWhatsAppのみのやりとりは避ける:入金を急かされた場合や口座名義が不自然な場合は特に注意。

4. 契約条件の不備・誤解:書面での明記が必須

契約内容の不明確さは、退去時の敷金返金トラブル、途中解約時の違約金発生などに繋がります。

対策:

  • 曖昧な条件は必ず書面に残す:ペット可否、修繕費の負担、家具・家電の有無、光熱費の支払い範囲など。
  • 口頭・チャットだけの合意は避ける:すべての取り決めは署名付き契約書または補足書類で明記してもらう。

補足:前家賃・敷金の扱い

ドイツでは、敷金(Kaution)に加え、前家賃(Miete im Voraus)を求められることもあります。これらは契約書に明記されていれば合法ですが、必ず返還条件や支払い方法も文書で確認しましょう。

まとめ

ドイツでの賃貸契約では、言語・法制度の違い・信用情報の審査・詐欺リスクといった複数の壁がありますが、事前に備えれば多くは回避可能です。

不安がある方は、ビザ対応の経験が豊富な不動産エージェントや日系サポート会社を利用するのが安全です。

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