スペインの投資家ビザが2025年4月に廃止へ:その背景と次に注目される国々

スペインの投資家ビザ(通称ゴールデンビザ)が、2025年4月3日をもって正式に廃止されることが決定しました。 ​このニュースは、スペインへの移住や投資を検討していた多くの方々にとって大きな驚きとなっています。​

目次

ゴールデンビザとは?

ゴールデンビザとは、一定額以上の投資を行うことで、その国の居住権を取得できる制度です。スペインの場合、主に以下の条件がありました。​

  • 50万ユーロ以上の不動産投資
  • 100万ユーロ以上の株式や投資ファンドへの投資
  • 200万ユーロ以上のスペイン国債への投資

これらの投資を行うことで、非EU市民でもスペインの居住権を取得し、シェンゲン圏内の自由な移動が可能となっていました。​

廃止の背景

住宅価格の高騰と地元住民への影響

ゴールデンビザ制度は、多くの外国人投資家をスペインの不動産市場に引き寄せました。​しかし、その結果、主要都市部での住宅価格が高騰し、地元住民が手頃な価格で住宅を入手することが難しくなりました。 ​この状況が、制度廃止の大きな要因となりました。​

EU全体での規制強化の動き

欧州連合(EU)は、ゴールデンビザ制度がマネーロンダリングや不正資金の流入を助長する可能性があるとして、加盟国に対し制度の見直しを求めていました。​これを受け、スペインも制度廃止の決断に至りました。​

廃止のスケジュールと影響

スペイン政府は、2024年11月にゴールデンビザの廃止を正式に発表し、2025年4月3日をもって制度を終了することを決定しました。 ​これにより、新規の申請は受け付けられなくなりますが、既にビザを取得している投資家は、引き続きビザの更新が可能とされています。​Condé Nast Traveler

次に注目される国々

スペインのゴールデンビザ廃止に伴い、他の国々の投資家ビザプログラムに注目が集まっています。​Investor Visa

ギリシャ

ギリシャは、40万ユーロ以上の不動産投資でゴールデンビザを提供しており、比較的取得しやすいとされています。​しかし、2024年9月1日よりアテネやサントリーニなどの主要都市での、最低投資額が80万ユーロに引き上げられましたが、他の地域では40万ユーロの投資でビザ取得が可能です。

 ​この制度により、投資家はギリシャの居住権を取得し、シェンゲン圏内の自由な移動が可能となります。​

​ギリシャのゴールデンビザは、不動産投資を維持している限り延長可能であり、家族全員に5年間の居住権が付与されます。 ​

ポルトガル

ポルトガルは、50万ユーロ以上の不動産投資でゴールデンビザを提供していましたが、近年では不動産投資以外の方法、例えば35万ユーロ以上の投資ファンドへの投資など、他の投資オプションも検討されています。​

ポルトガルでは、これまで不動産投資を通じてゴールデンビザを取得することが可能でしたが、2023年10月に不動産投資によるゴールデンビザの新規発行が停止されました。 ​しかし、他の投資オプションを通じてゴールデンビザを取得することは引き続き可能です。​Investor Visa

ポルトガルのゴールデンビザ取得に利用可能な投資オプション

  • 投資ファンドへの投資:​承認された投資ファンドに最低50万ユーロを投資することで、ゴールデンビザの取得が可能です。 ​ETIAS Japan
  • 科学研究への投資:​ポルトガルの科学研究活動に資金を提供することで、ビザ取得の道が開かれます。​
  • 文化遺産の支援:​ポルトガルの文化遺産や芸術活動を支援するための投資も、ゴールデンビザ取得の対象となります。​Madeira Corporate Services

これらのオプションは、不動産投資が除外された後の代替手段として提供されており、ポルトガルへの移住を希望する投資家に新たな選択肢を提供しています。​

アイルランド

アイルランドも、100万ユーロ以上の投資でゴールデンビザを提供していましたが、2023年にこのプログラムを終了しています。​

まとめ

スペインのゴールデンビザ廃止は、投資家ビザを通じた移住を検討している方々にとって大きな転換点となりました。​今後は、他の国々のプログラムを検討する際、最新の情報を収集し、自身のニーズや状況に合った最適な選択をすることが重要です。​

最新の情報をもとに、投資家ビザの取得を検討される方は、各国の公式発表や信頼できる情報源を確認し、慎重に判断することをおすすめします。​

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