海外送金の方法完全ガイド|手数料・為替・便利なサービス比較まとめ【2025年版】– 日本から海外、または海外から日本へお金を送るとき、「送金方法」で大きな差が出ることをご存知ですか?この記事では、各国に共通する海外送金の仕組みと、手数料・為替・安全性に優れたサービスの選び方を徹底解説 –

海外移住のお金の海外送金に使うアイキャッチ画像

海外送金をする際、「どの方法を使えば一番お得か」「手続きが簡単なのはどれか」と悩んだことはありませんか?
昔は銀行の国際送金が主流でしたが、今ではWise(旧TransferWise)やRevolut、PayPalといったフィンテック系サービスの登場により、低コスト・スピーディーな送金が可能になっています。

この記事では、日本から海外、または海外から日本へお金を送る際に使える主な送金手段を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
銀行送金との違い、国際送金時の注意点、税制上の扱いなども丁寧に取り上げているので、留学・移住・ビジネス・仕送りなど、さまざまなケースに対応できる内容です。

自分にとって最適な送金方法を選び、無駄な手数料を抑えて、安心・スムーズな資金移動を実現しましょう。

目次

海外送金の基本|何がどう違う?

海外送金とは、日本国内の口座から海外の銀行やサービス口座に資金を移す、またはその逆を行う行為です。
留学費用の支払い、仕送り、海外移住後の生活資金、日本の年金や退職金の移動、ビジネス取引など、さまざまな場面で利用されます。

しかし、送金方法を間違えると、高額な手数料や不利な為替レートで大きな損失が出てしまうことも。
まずは、主要な送金方法と、それぞれの仕組み・違いを理解しておくことが大切です。

銀行送金とフィンテック送金の違い

海外送金は大きく分けて、「銀行送金(SWIFT送金)」と「フィンテック系サービスによる送金」の2つのルートがあります。

比較項目銀行送金(SWIFT)フィンテック系(Wise / Revolutなど)
手数料高め(数千円+中継手数料)低コスト(数百円〜実費ベース)
為替レート銀行独自の為替レート(不利)実勢レートに近く透明性が高い
着金スピード通常2〜5営業日数時間〜1営業日以内も可
必要情報銀行名・口座番号・SWIFTコードメールアドレスや口座IDなど簡易
対応国世界中に対応(公的機関・企業向けに強い)対応国は拡大中(個人送金に強い)

特に個人での移住や留学、フリーランスの収入受け取りなどにおいては、フィンテック系サービスのコストパフォーマンスが圧倒的です。

SWIFT送金とは?

「SWIFT(スウィフト)」とは、世界中の銀行をつなぐ国際送金ネットワークのことで、正式名称は Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication
日本の銀行から海外の銀行へ送金する際、多くの場合このSWIFTネットワークを経由します。

送金に必要な情報(例)

  • 受取人の名前・住所
  • 受取銀行の正式名称
  • 受取銀行のSWIFTコード(例:BOJPJPJT)
  • 受取人の口座番号(IBANまたは通常の番号)

中継銀行を経由することもあるため、送金には2〜5営業日かかり、中継手数料や受取手数料も発生することがあります。

為替手数料と着金手数料の仕組み

海外送金では、実際の送金額以外にも「見えにくいコスト」がかかっている点に注意が必要です。

為替手数料(為替スプレッド)

銀行やサービスが提供する為替レートは、市場レートに独自の上乗せ(スプレッド)が含まれていることが一般的です。

  • 銀行:1ドルあたり2〜3円の上乗せがある場合も
  • フィンテック系:市場レートにほぼ近い透明なレートが表示される(Wiseなど)

小額でも頻繁に送金する人にとっては、この為替差だけで年間数万円の差が出ることもあります。

着金手数料(受取銀行手数料)

送金したお金が相手の口座に入金される際、受取側の銀行が手数料を引くケースもあります。

  • 銀行送金(SWIFT):着金手数料が2,000〜5,000円程度かかることも
  • フィンテック系:着金手数料がない or 事前に明示されている場合が多い

この手数料は事前に予測しづらく、受取人の手元に届く金額が予想より減っているというケースがよくあります。

まとめ:まずは「送金方法ごとのコスト構造」を把握しよう

海外送金手数料は大きく ①固定手数料②為替スプレッド の 2 つで構成されます。さらに中継銀行手数料が加わる場合もあり、総コストはサービスにより数倍の差が生じます。

  • 固定手数料: 送金 1 回あたりに発生。例:Wise JPY265円〜、Revolut JPY220円〜。
  • 為替スプレッド: 実勢レートとの差分。Wise はほぼ 0%、銀行は 2〜3% が一般的。
  • 中継銀行手数料: SWIFT 経由の銀行送金で発生(2,500〜4,000 円)。
  • 銀行送金は安全性は高いがコストも高い
  • フィンテック系サービスは低コストかつスピーディーで、個人利用に適している
  • 為替レート・手数料・着金時間の3つの観点から比較することが大切

主要 5 サービス+銀行の比較表

送金サービス対応国/通貨総コスト*着金速度日本居住者申込主な強み
Wise160+ / 50+ 通貨0.68%+265 円数秒〜2 営業日最安級・法人 API
Revolut200+0〜1%+220 円即時〜2 営業日為替無料枠・株取引
N26EU/EEA1.3%+€3.5(経由)1〜3 営業日EU IBAN 無料口座
PayPal200+3%+499 円即時即時送金・購入保護
Remitly100+2%+399 円即時〜1 日現金受取網が広い
メガバンク**
SWIFT
200+2〜4%+4,000 円2〜5 営業日高額送金上限が高い

*10 万円→米ドル送金時(2025/4/27 の参考値)
**メガバンクの基準値について:三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀

代表的な送金方法の比較(2025年版)

海外送金に使える主要なサービスや手段には、それぞれ特徴と向き・不向きがあります。ここでは代表的な4つの手段(Wise、Revolut、PayPal、銀行送金)について、メリット・デメリット・活用シーンをわかりやすく解説します。

Wise(旧TransferWise)|コスパ最強の定番送金サービス

✔ 実勢為替レート + 明朗な手数料設定
Wiseは、実際の市場レート(ミッドマーケットレート)に近い為替レートを採用し、送金額と手数料をリアルタイムで可視化。隠れコストがないのが最大の魅力です。

✔ 日本⇔海外の双方向送金に対応
受取人の口座情報を入力するだけで送金が完了。1〜2営業日以内で届くケースがほとんどです。

✔ アプリの使いやすさも抜群
履歴の管理・着金通知・為替のトラッキングなど、初心者でも使いやすいUIが好評です。

こんな人におすすめ

  • 毎月、家族や自分用に仕送りをしたい
  • ビザ申請などで資金証明が必要な移住者
  • 手数料と為替をできる限り抑えたい人

Revolut|送金+多通貨管理ができる万能アプリ

✔ 多通貨口座&即時為替が魅力
1つのアプリ内で複数の通貨を保有・管理でき、為替タイミングを見て両替が可能。レートも非常に良心的です。

✔ 海外送金は即時着金も可能
送金先によっては数秒〜数時間で着金する場合も。個人送金・少額送金に非常に便利。

✔ デビットカードも発行可能
日本でも海外でも使えるMastercard/Visaのデビットカードを発行でき、ATMからの引き出しにも対応。

こんな人におすすめ

  • 複数通貨を日常的に使う人(ノマド・フリーランス)
  • ヨーロッパ圏内のSEPA送金が多い人
  • 海外移住+旅行を組み合わせる人

PayPal|ビジネス向きだが手数料に注意

✔ メールアドレスだけで送金可能
相手のメールアドレスさえあれば簡単に送金できるのが最大のメリット。特にフリーランスやオンライン取引で便利。

✔ 手数料と為替がやや割高
送金額に対して数%の手数料がかかり、為替スプレッドも大きめ。頻繁な利用には不向き。

✔ 法人・ビジネス利用で真価を発揮
海外ECやデジタルサービスの決済では圧倒的な利便性があり、世界中で広く利用されています。

こんな人におすすめ

  • 海外クライアントとの取引が多いフリーランス
  • 一時的な個人送金(返金・立替など)を行いたい人
  • 安全性やブランド信頼を重視する人

N26|モバイル世代のためのデジタルバンク

✔ Wise 連携で実勢レート+低手数料
アプリ内に統合された Wise 機能で 42 通貨へ即時送金。エコノミープランでも銀行より割安、上位プラン(You/Metal)はさらに優遇レートでの送金が可能です。​

✔ ユーロ口座&デビットカードが無料
標準プランは月額無料で独独 IBAN を取得。Apple Pay/Google Pay 対応の Mastercard デビットで、EU 圏内のキャッシュレス決済とオンラインショッピングがスムーズ。

✔ プレミアムで保険・無料 ATM 引き出し
You/Metal では海外旅行保険、手荷物遅延補償、無料外貨 ATM 引き出しなどをパッケージ。海外生活・ノマドワークをトータルにサポートします。​

こんな人におすすめ

  • EU/EEA に居住するデジタルノマド・留学生 – 現地 IBAN と低コスト送金が必須の人
  • 海外取引が多いフリーランス – ユーロ建ての受取・支払いをスマホで完結したい人
  • キャッシュレス志向の長期旅行者 – アプリで即時残高通知・カードロックを使いたい人

※ 現時点で日本居住者は口座開設不可。渡航・移住予定がある人向けのサービスです。

銀行送金|伝統的で安定感はあるがコスト高

✔ 安定性・信頼性は抜群
大手銀行間でのSWIFT送金は、世界中どこへでも対応可能。高額送金時の安全性も高い。

✔ 着金までに時間がかかる
中継銀行を経由するため、3〜5営業日かかるケースも。着金日が不確定なため急ぎには不向き。

✔ 手数料・為替レートが高い
為替スプレッドは2〜3円以上、送金手数料は数千円〜1万円以上になることも。

こんな人におすすめ

  • 100万円以上など高額の国際送金を検討している
  • 公的機関や法人宛の送金が必要なケース
  • WiseやRevolutが使えない国への送金

日本 → 海外へ送金する場合|手数料・為替・送金方法の工夫

日本から海外の口座に送金する場合、利用できる手段は複数ありますが、どの方法を選ぶかによって手数料や着金速度、為替差に大きな差が出ます。

銀行送金の場合(みずほ・三菱UFJ・ゆうちょ等)

✔ SWIFTコードが必要
日本の銀行から海外の銀行へ送る際は、SWIFTコードの入力が必須です。
例)三菱UFJ銀行のSWIFTコード:BOTKJPJT

✔ 手数料が高額になることも
銀行の海外送金では以下のような費用が発生します。

  • 送金手数料:通常3,000円〜6,000円
  • リフティングチャージ(中継銀行手数料):2,000円〜
  • 為替スプレッド:1ドルあたり2〜3円など

送金額が少ない場合、実質10%以上のコストがかかることもあるため注意が必要です。

WiseやRevolutを使う場合

✔ コストを大幅に削減可能
Wiseを使えば、為替レートは実勢レートにほぼ等しく、手数料も明朗。
たとえば10万円を送る場合でも、合計の手数料が700円程度で済むこともあります。

✔ 送金手続きも簡単&早い
アプリから送金先の口座情報を入力するだけ。
1〜2営業日以内の着金が一般的で、銀行よりスピードも速いです。

定期送金・仕送りの工夫

毎月仕送りする、あるいは定期的に送金する場合は以下の点を意識しましょう。

工夫ポイント内容
毎月の固定額を設定送金スケジュールを事前に立てることで、送金レートの管理がしやすくなります
Wiseの定期送金機能自動送金機能を使えば、手間なく仕送りが可能
為替アラートを設定円高タイミングを見て送ることでお得に(WiseやRevolutに搭載)

 生活費の送金・学費支払いなど、継続送金にはフィンテックサービスの方が総合的に有利です。

海外 → 日本へ送金する場合|着金手数料・税務上の注意点

海外に住んでいる家族やパートナーから日本に送金してもらう場合も、日本側での受取条件や費用、報告義務などに注意が必要です。

日本の銀行口座での受け取り

✔ 着金手数料に注意
受取人が日本の銀行口座で外貨を受け取る場合、数千円の受取手数料(着金手数料)が引かれることがあります
例:三菱UFJ銀行では最大2,500円程度かかることも。

✔ 外貨建てで受け取る or 円建てに自動変換されるかの選択も重要
円建てにすると自動で為替スプレッドがかかるため、タイミングを見て外貨口座に送金し、後で両替する方法もあります。

高額送金のリスクと規制

✔ 資金の出所を確認されるケースあり
100万円以上の高額送金では、金融機関から以下のような問い合わせが来る場合があります。

  • 資金の送金理由(贈与、返済、事業取引など)
  • 相手との関係(親族・ビジネスパートナー等)
  • 資金の出所・収入源に関する説明

✔ マイナンバーの提示が求められる場合も
特に新規口座や初めての国際送金受取では、マイナンバーの提出を求められるケースが増えています。

税務上の注意点

項目内容
贈与税受取額が年間110万円を超えると、贈与税の申告が必要な場合あり(親族間など)
所得税報酬・業務収入などの場合は、日本での課税対象になる可能性あり
記録の保管通帳・送金明細・相手の身元確認などの記録を保存しておくと安心

「誰から」「どんな目的で」「どのくらいの金額を」受け取るかによって、税務対応や金融機関の確認事項が異なります。事前に計画を立てておくことが重要です。

地域別の送金制度の違い|SEPA・ACH・アジアローカル送金の特徴

海外送金と一口に言っても、地域によって送金ネットワークの仕組みやコスト、スピードは大きく異なります。ここでは代表的な送金制度を地域別に解説します。

SEPA(ヨーロッパ)|ユーロ圏内なら手数料無料の送金制度

SEPA(Single Euro Payments Area)は、EU加盟国+一部周辺国で構成されるユーロ圏内の統一送金システムです。

特徴内容
対象国EU27か国+アイスランド、ノルウェー、スイスなど
通貨ユーロ(EUR)限定
必要情報**IBAN(国際口座番号)**のみで送金可能
手数料原則無料または非常に安価(€0〜1程度)
着金速度通常24時間以内(土日祝除く)

注目ポイント
個人間・企業間ともに使いやすく、ヨーロッパ内での送金は最もコスパが良い方法。RevolutやN26など欧州発のフィンテックサービスとも相性抜群です。

ACH(アメリカ)|米国内の標準送金インフラ

ACH(Automated Clearing House)は、アメリカ国内の銀行間送金で広く使われている決済ネットワークです。

特徴内容
対象米国国内の個人・法人送金
通貨米ドル(USD)
着金時間通常1〜2営業日(即時ACHも一部あり)
手数料ほぼ無料〜1ドル以下(銀行やプランによる)
利用方法ルーティング番号+口座番号で送金

注目ポイント
給与振込、光熱費支払い、個人間の送金など、米国内の資金移動はACHが主流。ZelleなどのアプリもACHベースで動いています。

アジア各国|ローカル送金 or SWIFT送金が混在

アジア圏では国によって送金制度が大きく異なります。

国・地域傾向
日本SWIFTが主流、ローカルインフラは未発達
韓国・台湾自国間送金インフラは整備済み、海外送金はSWIFT中心
東南アジアローカルモバイル送金(GCash、PromptPayなど)が急成長中。国際送金は中継銀行経由が多い
中国Alipay・WeChat Payが国内主流。国際送金は規制が厳しく、受取制限もあり

注目ポイント
アジア地域への送金は、国ごとに手数料や着金ルールがまったく異なるため、事前の確認が必須です。WiseやRemitlyなどが地域最適化を進めています。

海外送金に関する税務・法律上の注意点|知らないとリスクに

海外送金は、金額や目的によっては税務署や金融機関から確認を求められる場合があります。特に高額送金や事業関連送金は慎重な対応が必要です。

日本側の税制上の扱い|贈与税・所得税に注意

ケース税務上の取扱い
両親から仕送りを受ける年間110万円以下:非課税 / 超えると贈与税の申告対象
報酬・業務収入としての受取日本に住んでいれば課税対象(所得税)
海外投資からの配当・売却益日本の居住者であれば原則申告義務あり

注意点
仕送りや学費の受け取りでも、金額や頻度によっては「贈与」とみなされる可能性があります。通帳の明細や送金理由のメモを保存しておきましょう。

受取国側の審査・制限

対象内容
高額送金銀行から「資金の出所」「送金目的」の確認が来ることがある
第三者送金送金人と受取人が異なる場合、**疑義送金(マネーロンダリング対策)**として審査が厳しくなる
書類提出パスポートコピー・送金証明・契約書などの提示を求められる

補足
送金人が家族であっても、名義が異なるとトラブルになる例もあるため、可能な限り同一名義での送金をおすすめします。

ビジネス送金との区別|個人口座ではリスクあり

個人用の銀行口座で事業収益やクライアントからの支払いを受け取ると、以下のような問題が発生することがあります。

  • 国によっては違法送金・規制違反になることも
  • 銀行口座が一時凍結されるリスク
  • 税務上の説明責任(事業収入か贈与かの区分)

対応策
事業で定期的に海外から資金を受け取る場合は、以下のような対策を。

  • 法人口座 or 自営業用口座を開設
  • 明確な請求書や契約書を保管
  • 税理士への相談で正しい申告ルートを確保

海外送金の税務・法務まとめ

項目ポイント
贈与税年間110万円以上の受取は申告対象になりうる
所得税報酬・投資利益は原則課税対象
銀行の確認高額・頻繁な送金では資金源の証明が求められる
ビジネス送金個人口座での受取は避け、適切な区分・証明が必要

海外送金に関するQ&A

手数料の一番安い送金方法は?

多くのケースでWiseが最安。為替レートも実勢に近く、明朗な手数料設定。

国ごとに送金限度額は違うの?

はい。規制やAML(資金洗浄対策)により異なります。事前確認が必要です。

資金洗浄や違法送金とみなされないためには?

正当な送金目的・金額・身元情報を提出し、本人確認の手続きをしっかり行うことが重要です。

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