クロアチア移住におけるお金の基本ガイド|税金・銀行口座・海外送金– クロアチア移住に向けた「お金」の基礎知識を総まとめ|税制・銀行口座・海外送金ガイド –

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クロアチアへの移住を検討する際には、住居探しやビザ取得、仕事の準備と並んで、「お金」に関する事前準備も非常に重要なポイントです。

現地の税制、銀行口座の開設、日本との送金方法などを正しく理解していないと、思わぬコスト負担や手続きのトラブルに直面するリスクもあります。

この記事では、クロアチア移住にあたって押さえておきたい「お金」に関する基本知識をまとめています。クロアチアで安心して新生活をスタートさせるための第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

目次

クロアチアの税制|居住者税・非居住者税・二重課税・確定申告の基本

クロアチアの所得税は、その人が「居住者(rezident)」か「非居住者(nerezident)」かによって課税方法が大きく異なります。

居住者とみなされる条件

以下のいずれかに該当する場合、クロアチア税務上の居住者と判断されます。

  • クロアチア国内に主要な住居を有している
  • クロアチア国内で主な経済的利益(職業活動・所得の中心など)を有している
  • 1年間に183日以上クロアチア国内に滞在している

居住者とみなされた場合、全世界所得が課税対象となります。
つまり、日本で得た給与収入や不動産収入、副業の利益なども、クロアチアで申告・納税する必要があります。

非居住者とは?

クロアチアに住居も主要な経済拠点もなく、滞在日数も短期(原則183日未満)にとどまる場合、「非居住者」として扱われます。

非居住者の場合は、クロアチア国内源泉の所得のみに課税されます。
たとえば、クロアチア国内にある不動産の賃貸収入や、クロアチア企業から受け取る報酬などが対象です。
非居住者には通常、特別な固定税率(20%)が適用されます。一定以上の所得に対しては高い税率が適用されるケースもあります。

二重課税防止条約(日本との関係)

クロアチアと日本は二重課税防止条約を締結しており、同じ所得に対して日本とクロアチアの両方で課税されることを防ぐ仕組みが設けられています。

たとえば、日本で源泉徴収された給与や配当をクロアチアで申告する際には、外国税額控除(kredit za strani porez)を利用でき、日本で支払った税額分をクロアチアの税額から差し引くことが可能です。

ただし、この控除を受けるためには、日本で納税した証明書類(たとえば源泉徴収票など)の提出が求められます。
実際の申告は、クロアチアの税制に詳しい専門家へ相談しながら進めると安心です。

銀行口座の開設方法|クロアチアでの手続きとおすすめ銀行

クロアチアで賃貸契約を結んだり、給与を受け取ったり、日本からの送金を管理したりするためにも、現地の銀行口座はほぼ必須となります。
ただし、外国人が口座を開設する場合、通常は滞在許可証や住所証明書の提示が求められ、銀行によって必要書類や対応状況が異なります。

クロアチアの銀行口座を開設するには

外国人が銀行口座を開設するために、一般的に必要とされる書類は以下の通りです。

  • パスポート
  • クロアチアの住所証明書(賃貸契約書や公共料金の請求書など)
  • 滞在許可証(長期滞在の場合)
  • 就労証明書または収入証明書(雇用契約書や給与明細など)

一部の銀行では、OIB(クロアチア個人識別番号)の取得が必要になることもあります。
通常、口座開設前にOIBを取得しておくとスムーズです。

非居住者でも作れる口座はある?

クロアチア国内に正式な滞在許可や住所登録がない場合、通常の銀行口座(tekuci račun)の開設は難しくなる傾向にあります。
しかし、銀行によっては非居住者向けの「外国人用口座(račun za nerezidente)」を提供している場合もあり、開設可能です。

また、Wise(旧TransferWise)やRevolutといったオンラインバンクを活用すれば、クロアチア居住者向けのIBANを持つユーロ口座を利用することもできます。

主な銀行の特徴

銀行名特徴外国人対応
Zagrebačka bankaクロアチア最大手。英語対応支店も多い大都市で英語対応あり
Privredna banka Zagreb (PBZ)イタリア系グループ傘下。国際サービスに強み英語対応可、外国人向けサポートあり
Erste Bankオーストリア系。オンラインバンキングが整備英語可、支店による差あり
Revolut(オンライン)完全オンライン。多通貨口座+クロアチアIBAN発行可英語・クロアチア語対応、手続き簡単

口座維持手数料の目安

クロアチアでは、一般的な銀行口座(tekuci račun)には月額10〜30クーナ(約1.5〜5ユーロ)程度の維持手数料がかかります。
ただし、オンラインバンクを利用すれば、無料または非常に低コストで口座を維持できる場合もあります。

オンラインバンクという選択肢

対面での手続きが難しい場合や、すぐにユーロ建て口座を開設したい場合には、オンラインバンクも人気です。
特に以下のサービスは移住者にも好評です。

  • Revolut:多通貨アカウントとクロアチアIBANが利用可能
  • Wise:国際送金に強み、日本との送金にも便利
  • N26:ドイツ発のオンラインバンク。クロアチア在住者向けアカウント開設も可能

補足:言語の壁に備えて

クロアチアの銀行では、大都市(ザグレブやスプリット)では英語対応が進んでいますが、地方支店ではクロアチア語のみの場合もあります。
基本的な銀行手続き用語や必要書類に関する表現をメモして持参すると安心です。
また、オンラインバンクを利用する場合でも、利用規約や重要事項はクロアチア語で提供されることが多いため、十分に確認しましょう。

海外送金の方法|日本とクロアチア間でのコストを抑えるには

日本の口座からクロアチアへ送金する場合、またはクロアチアから日本の口座に送金する場合、銀行手数料や為替レートの差によって大きなコストが発生することがあります。

近年では、従来の銀行経由よりもコストを抑えられるフィンテック系の送金サービスを利用する人が増えており、特に少額・中額送金でその効果が顕著です。

代表的なサービス

Wise(旧TransferWise)
実際の為替レートに近い透明なレートで送金でき、手数料も明確。日本からクロアチアへの送金にも対応しており、少額〜中額の送金でコストパフォーマンスに優れています。

Revolut
多通貨アカウントを持つことができ、ユーロと日本円の両方で資金管理が可能。送金スピードも速く、アプリの使いやすさも特徴。クロアチア国内でも利用者が増えています。

N26
ドイツ発のオンラインバンクですが、クロアチア在住者向けアカウントも開設可能。ユーロ建ての取引管理に便利です。日本の銀行口座との直接接続はないため、WiseやRevolutとの併用がおすすめです。

銀行経由での送金について

クロアチアの一般銀行(例:Zagrebačka banka、PBZなど)から日本の口座へ直接送金することも可能ですが、SWIFTコードの入力中継銀行手数料が発生するため、特に少額送金では割高になりがちです。

また、着金までに数営業日かかるケースも一般的です。

まとめ|最適な手段を選ぶポイント

クロアチアに長期滞在・移住を予定している方は、低コストかつスピーディな送金方法を事前に把握しておくことが重要です。

  • 家賃支払い
  • 現地生活費の送金
  • 日本に残る家族への仕送り
  • 投資資金の移動

など、送金目的に応じて、銀行経由フィンテックサービスを柔軟に使い分けることをおすすめします。

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