ポルトガルの住居|賃貸・購入・家賃相場・探し方– ビザ取得や長期滞在に向けた住まい探しの完全ガイド|家賃相場・契約手順・トラブル回避まで網羅 –

ポルトガル移住を考えるうえで欠かせないのが「住まい探し」です。
この記事では、ポルトガルにおける賃貸住宅の相場、物件の種類、住まいの探し方、契約の注意点、そして不動産購入の可能性まで、移住者向けにわかりやすく解説します。
D7ビザやD8ビザなど、長期滞在ビザの取得時に求められる「住居証明」への対応も含めて説明しています。

目次

ポルトガルの住居タイプと特徴

ポルトガルの住まいは、建物の築年数や間取りの考え方、設備面などが日本と大きく異なります。主な住居タイプを以下にまとめました。

種類説明特徴
アパルタメント(Apartamento)一般的な集合住宅。日本のマンションに相当。家具付きが多く、都市部に多く見られる。エレベーターの有無や断熱性に注意。
モラディア(Moradia)戸建て住宅。一軒家や連棟式住宅(テラスハウス)など。家族向け。庭付きの物件も多いが、メンテナンスや防犯面の確認が必要。
スタジオ(Estúdio)ワンルーム型の住居。一人暮らしに人気。キッチン・リビング・寝室が一体化。
シェア(Quarto)ルームシェアやフラットシェア。留学生や若者に多い。バス・キッチンは共用で、家賃は€300〜600程度が目安。

ポルトガル物件でよく見かける用語

  • Mobilado:家具付き
  • Cozinha equipada:キッチン設備付き
  • Com despesas incluídas:光熱費込み
  • Remodelado:リフォーム済み

短期向け住居の選択肢|ビザ待機・下見・ノマドにも便利

初期滞在や仮住まいとして、以下の短期居住オプションが便利です。

種類説明特徴
Airbnb家具付き・光熱費込みの短期賃貸日本からも簡単に予約可能。長期割引あり。レビューで物件の質を確認できる。
サービスアパートメント清掃・Wi-Fi付きの長期宿泊型物件リスボン・ポルト中心に多い。法人契約も可能。価格は€1,200〜2,500/月程度。
中期賃貸(Arrendamento temporário)数ヶ月単位の賃貸契約3〜11ヶ月程度。D7ビザなどの申請時にも利用可能。
コリビング(Coliving)個室+共用空間のシェア型居住デジタルノマドに人気。生活インフラ完備、コミュニティ性あり。例:Outsite、Selina

こんな人におすすめ

  • 現地で物件を見てから長期賃貸を決めたい人
  • ビザ申請中の一時滞在先を探している人
  • ノマドスタイルで滞在都市を変えながら働く人

利用時の注意点(ポルトガル版)

  • Airbnbは規制エリアがある(特にリスボン旧市街やアルファマ地区など)。「ローカル住民の居住環境を守る」目的で、新規ライセンスの発行制限や営業禁止エリアが設定されている場合があります。長期滞在には “Monthly stays” や “Aluguer mensal” での検索がおすすめ
  • サービスアパートメントは割高で、法人契約が優遇されることもある。リスボンやポルト中心部では月額€1,500〜€3,000の物件もあり、駐在員や外資企業向けの価格設定が一般的
  • 短期賃貸(Arrendamento temporário)は契約延長が柔軟ではない場合がある。3〜11ヶ月などの契約が一般的で、延長や長期契約への切り替えは事前に確認が必要。移民局(AIMA)での滞在許可延長にも影響するため、更新時期と契約期間の整合性に注意。

ポルトガル主要都市の家賃相場(2025年)

都市名1LDK(中心部)1LDK(郊外)3LDK(中心部)コメント
リスボン€1,000〜1,400€700〜1,000€1,800〜2,500首都で物件価格が高騰。賃貸競争が激しい。
ポルト€800〜1,200€600〜900€1,500〜2,000コスパ良く、外国人にも人気の移住先。
コインブラ€600〜900€500〜750€1,200〜1,700学生都市。手頃な価格帯での物件多数。
アルガルヴェ(ラゴス・ファロ等)€900〜1,300€700〜1,000€1,500〜2,200海沿いリゾート地。夏季は短期賃貸が主流。

家賃に影響する要素

  • 家具付きかどうか(Mobilado)
  • 光熱費込み(Com despesas incluídas)
  • 改装済み物件(Remodelado)
  • 交通の利便性や階数(エレベーターの有無)

ワンポイント解説

  • 1LDK=ポルトガルでは「T1(Tipologia 1)」と表記されることが多い
    → 寝室1つ+リビングの構成で、単身・カップル向け。
  • 3LDK=「T3」などと表記され、ファミリー向け物件が主流
    → 広さや部屋数重視の家族、またはルームシェア用にも選ばれる。
  • 郊外エリアは住環境が良く、中心部より家賃も安価
    → 長期滞在者や静かな生活を好む人におすすめ。特にコインブラ・ブラガ・カスカイスなどが人気。

ビザ申請時の注意点:住居契約書が必要

ポルトガルでは、多くの長期滞在ビザ(例:D7ビザ、D8ビザなど)において、居住先の証明(Comprovativo de Alojamento) が求められます。これは賃貸契約書や住所登録書類(Atestado de Residência)で証明することが一般的です。

申請準備の際は、以下の点を事前に確認しておくことが重要です。

  • 正式な賃貸契約書(Contrato de Arrendamento)が発行されるか
  • 契約が本人名義で締結されているか
  • 契約期間がビザ要件を満たしているか(原則として3ヶ月〜6ヶ月以上)
  • Airbnbなどの短期滞在契約では不可とされるケースもある

移民局(AIMA)や大使館の最新要件を確認するとともに、現地サポート機関や移民弁護士に事前相談しておくと安心です。
特にD7ビザやD8(デジタルノマド)ビザなどでは、滞在許可申請時に居住先の証明(賃貸契約書や光熱費の請求書など)が必須とされており、不十分な書類では申請が却下されるリスクもあります。

ポルトガルで賃貸物件を探す方法

ポルトガルで賃貸物件を探すには、オンラインとオフラインの両方の手段を上手に活用するのがポイントです。滞在目的(短期/長期)や語学力、居住エリアの希望によって適した探し方は異なりますが、以下のような方法が主流です。

オンラインで探す:ポルトガル全土対応の主要ポータルサイト

ポルトガルでも、オンライン不動産ポータルを通じた物件探しが一般的です。以下は代表的なサイトです。

サイト名特徴向いている人・用途備考
Idealista(イデアリスタ)ポルトガル全土の物件が網羅され、検索機能が非常に充実幅広い条件・都市で物件を探したい人スペインと共通の大手サイト。言語はポルトガル語/英語切り替え可
Imovirtual(イモヴィルトゥアル)ローカル利用者が多く、アパートやシェア物件も多数掲載家賃を抑えたい若者や学生層デザインが直感的で、画像・間取りが見やすい
CASA SAPO(カーサ・サポ)高級物件・投資用物件に強い長期移住・不動産購入も視野に入れている人英語・フランス語にも対応。一部日本からのアクセスが重いことも
Uniplaces(ユニプレイシズ)学生・短期滞在者向けの家具付き物件を専門に扱うワーホリ、語学留学、初期滞在先を探している人英語で契約可能。水道光熱費込みの物件が多い

ポイント:ポルトガル語で検索した方が物件数は多く表示されます。
例:「Alugar apartamento Lisboa(リスボン 賃貸 アパート)」など。

現地で探す:ローカルならではのネットワーク活用

実際にポルトガルに到着してからの物件探しでは、オンラインに出ていない物件と出会えることもあります。

不動産仲介会社(Imobiliária)

  • リスボンやポルトを中心に、地域に特化した仲介会社が多数あります。
  • 店舗に掲示された物件を直接見に行くスタイルも一般的。
  • 通常、家賃1ヶ月分+税の仲介手数料が必要です。

街中の貼り紙・掲示板(Arrenda-se)

  • カフェや大学の掲示板などに、「貸します」の手書きポスターが貼られていることがあります。
  • ローカルな住宅街では特に有効な手段で、個人貸主と直接交渉できる場合もあります。

Facebookグループ・WhatsAppコミュニティ

  • 「日本人 リスボン 賃貸」「Portugal Flatshare」などのグループに参加すると、リアルタイムで物件情報を入手できます。
  • 非公開の物件も多く、現地在住者からのアドバイスや警戒情報も得られます。

日本語サポートの不動産サービスを活用する

ポルトガルでは、日本語に対応した不動産エージェントは少ないものの、リスボンやポルト周辺で日本人サポートを提供している企業や個人が存在します。安心感を重視したい方には以下のような活用方法がおすすめです。

例:日本語サポートのある実績企業

日本語サポートのある不動産会社

エージェント名特徴URL
Takumi Portugal日本語で物件探しサポートhttps://www.takumispain.com/(ポルトガル対応あり)
Relo Japan Portugal駐在員向けトータルサポートhttps://www.relojapan.com/

※ 現地では英語やポルトガル語での対応が基本となるため、日本語対応サービスは早めの予約・確認がおすすめです。

物件探しのコツ

  • 現地内見が最も安心:写真や説明だけでは分からない物件の状態や周辺環境をチェック。
  • 契約書の確認は慎重に:ポルトガル語で作成されるため、内容は翻訳または第三者の確認を。
  • 最低限の用語を覚えておく
    • Mobilado(家具付き)、Não mobilado(家具なし)
    • Despesas incluídas(光熱費込み)、Contrato(契約)

このように、ポルトガルでの住まい探しは、ポータルサイト・ローカル情報・人脈の3本柱を上手く活用するのが鍵です。

ビザ申請時には、渡航前に住居契約書を用意しておく必要がありますが、実際の生活ではまず1〜3か月の短期・中期滞在用物件を契約し、現地到着後に長期賃貸をじっくり探すスタイルが一般的です。Uniplacesや一部のAirbnbなど、契約書を発行してくれる物件を選ぶことで、ビザ要件にも対応できます。

ビザ申請時に必要な「住居証明」とは?仮住まいと正式契約の違いに注意

ポルトガルの一部ビザでは、ビザ申請時点で住居を確保していることが条件とされており、「住居証明(賃貸契約書)」の提出が求められます。ここでは、そのポイントと、現地での家探しをスムーズに進めるための戦略を解説します。

どのビザで住居証明が必要?

以下のような中長期ビザでは、申請時に賃貸契約書の提出が求められることが一般的です。

  • デジタルノマドビザ(D8ビザ)
  • 非営利ビザ(D7ビザ)
  • 自営業ビザ(フリーランス)
  • 学生ビザ(語学学校・大学などに通う場合)

よくある誤解:Airbnb予約ではNGなことも

渡航直後にAirbnbやホテルで生活することは可能ですが、ビザ申請時点では“正式な契約書”が必要とされるケースが大半です。

比較項目Airbnb等の予約確認書賃貸契約書(Contrato de arrendamento)
契約者名記載がない/予約者名のみ滞在者のフルネームを明記
契約期間数日〜数週間通常3ヶ月〜(ビザに応じて)
書類形式PDF/メール本文など契約書PDF形式(法的効力あり)
ビザ対応可否✕ 審査通過しないリスクあり〇 多くの大使館が要件として明記

ビザ申請と家探しを両立する「段階的アプローチ」

ビザ取得と現地生活の両方に対応するには、段階的な住まい戦略が現実的で効果的です。

STEP
ビザ申請用に短期〜中期契約の物件を確保(渡航前)
  • Idealista や Uniplaces などで、「Aluguel temporário(短中期賃貸)」の契約
  • 1〜3ヶ月の契約期間を選択し、ビザ申請に使用できる正式な契約書(PDF)を発行してもらう
  • 一部のAirbnb物件でも、オーナーに交渉すれば契約書を発行してくれるケースあり

ポイント:この時点では「生活しやすさ」よりも、ビザ要件を満たすことを優先する

STEP
渡航後に本格的な住まい探しをスタート
  • 現地に到着後、実際にエリアの雰囲気や通勤・生活動線を体感
  • 内見・現地交渉を通じて、自分に合った長期物件を見極める
  • 不動産仲介会社やFacebookグループ、WhatsAppなども活用するとローカル物件に出会える可能性UP
STEP
生活基盤を整えたうえで長期契約へ移行
  • 賃貸更新やビザ更新に合わせて、長期的な住まい(1年契約〜)に切り替える
  • 気に入ったエリアや条件での物件が見つかれば、**家具購入や住民登録(アエマ・市役所)**にも着手

まとめ:まずは“ビザに通る家”、その後“暮らしやすい家”を探す

ポルトガルでの住まい探しは、ビザ申請と生活実態という2つの軸で考える必要があります。最初から理想の住居を見つけるのは難しいため、

① ビザ申請を通すための「仮の家」 → ② 現地で暮らしながら探す「本命の家」

という2段階戦略がおすすめです。

不安な方は、ビザサポート経験のある不動産エージェントに相談するのも有効です。

ポルトガルでの賃貸契約の流れ

ポルトガルで賃貸物件を契約する際の一般的な流れを、STEP形式でわかりやすく整理しました。初めての方でもスムーズに手続きを進められるよう、必要な書類や注意点も併せてご紹介します。

STEP
物件を探す
  • オンラインポータルの活用
    IdealistaやImovirtualなどの大手ポータルサイトで、希望するエリア・家賃・間取りなどの条件に合った物件を検索します。
    家具付き(Mobilado)や光熱費込み(Despesas incluídas)などのフィルターも活用しましょう。
  • 不動産仲介会社への相談
    リスボンやポルトでは、地元の不動産会社(Imobiliária)を通じて物件を紹介してもらうのも一般的です。
    ポルトガル語が不安な場合は、英語対応の業者や日本語サポートがあるサービスを選ぶと安心です。
STEP
内見・契約条件の確認
  • 内見の実施
    実際に物件を訪問して、設備の状態や周辺環境(交通、騒音、治安など)を確認しましょう。
    エレベーターの有無やセキュリティ、インターネット環境などもチェックポイントです。
  • 契約条件の確認
    家賃(Renda mensal)、契約期間(通常6〜12か月)、敷金(Caução)や保証金(Depósito)、管理費や光熱費の負担範囲などを詳しく確認します。
    また、ペット可否や更新条件、退去時のルールも確認しておきましょう。
STEP
必要書類の提出
  • 収入証明:給与明細、雇用契約書、銀行残高証明など
  • 身分証明書:パスポート、またはポルトガルの外国人識別番号(NIF)
  • 滞在許可関連書類:ビザや居住許可(Título de residência)などが必要なこともあります

※ NIF(Número de Identificação Fiscal)は、多くの賃貸契約で求められます。早めに取得しておくと便利です。

STEP
契約書の署名
  • 契約書の内容確認
    契約書(Contrato de arrendamento)は通常ポルトガル語で作成されます。
    内容を十分に理解するため、翻訳アプリや専門家(通訳者・法律家)のサポートを受けるのが安心です。
  • 署名
    内容に問題がなければ、貸主・借主双方が署名し、契約が正式に成立します。
    コピーを受け取り、保管しておきましょう。
STEP
敷金・初期費用の支払い
  • 敷金(Caução)の支払い
    通常、1~2か月分の家賃相当額を敷金として支払います。契約終了後、物件に損傷がなければ返金されます。
  • 初期費用の支払い
    初月の家賃、仲介手数料(不動産会社を通じた場合は1ヶ月分+VATが一般的)など、契約締結時にまとめて支払うのが一般的です。

補足:家賃の支払いと領収書(Recibo de renda)

家賃は通常、毎月月初に銀行振込または自動引き落としで支払います。
支払い後には「家賃領収書(Recibo de renda)」が発行され、税務署(AT)にも登録されるため、保管しておくと後々のビザ更新や税務処理にも役立ちます。

注意点とトラブル防止策(ポルトガル編)

ポルトガルでの賃貸契約は、日本と異なる文化や慣習があるため、事前の知識と対策がトラブル回避のカギとなります。ここでは、よくあるリスクとその予防策を整理しました。

1. 言語の壁:契約書は基本的にポルトガル語

賃貸契約書(Contrato de arrendamento)は通常ポルトガル語で作成されます。言語の理解が不十分なまま契約すると、不利な条件を見逃してしまう可能性があります。

対策

  • 翻訳サポートを利用する:契約書の重要部分は、信頼できる第三者や翻訳者に依頼して内容を確認。
  • 法律・不動産の専門家に相談:弁護士やコンサルタントを通じて契約内容を事前チェック。

2. 身元保証・収入証明:ビザや安定収入が問われる

ポルトガルでは、収入源や滞在資格が不透明な場合、物件の契約を断られるケースがあります。特に外国人の場合、事前に十分な書類を提示できるよう準備が必要です。

対策

  • 必要書類を揃える:給与明細、雇用契約書、銀行口座の残高証明など。
  • 保証人の確保:現地に家族・知人がいれば、保証人になってもらう方法も。
  • 一部オーナーやエージェントでは、前家賃の一括払い(3ヶ月〜)を求められることもあります。

3. 詐欺物件:信頼できる仲介ルートを選ぶことが重要

実在しない物件や、極端に条件の良い物件には注意が必要です。写真と実物が全く違う、入居前にお金を振り込ませる詐欺などが報告されています。

対策

  • 内見を行う:契約前に必ず現地で物件を確認。難しい場合は、信頼できる代理人や知人に確認してもらう。
  • 正式な不動産エージェントを活用:Idealistaに掲載されている「Imobiliária(不動産業者)」マークがあるものを優先。
  • 前金の要求には慎重に:特にWhatsAppなどでの個人やり取りで「入金先」を指定してくる場合は要注意。

4. 契約条件の確認:細かい条件も書面で明記を

契約条件の誤解や不明瞭な取り決めは、退去時や途中解約時のトラブルのもとになります。

対策

  • ペット可否、光熱費・Wi-Fiの有無、修繕費の負担範囲など、曖昧な点はすべて明記。
  • 書面で残すことが鉄則:口頭やWhatsAppメッセージでの約束はトラブル時の証拠になりにくいため注意。

補足:ポルトガルの契約では、保証金(Caução)に加えて、家賃前払い(Adiantamento)があることも一般的です。契約書内でそれぞれ明記されているかも確認しましょう。

家を借りる?買う?|長期滞在・投資目的での検討ポイント

ポルトガルでは、外国人でも不動産の購入は可能です。ただし、不動産を購入しただけで滞在許可や永住権が得られるわけではありません。以前は「ゴールデンビザ制度」を通じて、一定額以上の不動産投資による滞在許可取得が可能でしたが、2023年以降の制度改正により、不動産購入を条件とする申請ルートは廃止されました
そのため、現在は住宅購入=滞在許可の取得という仕組みはなくなり、滞在ビザや居住許可の取得は別途、他のビザ(例:D7ビザやD8ビザなど)に基づいて行う必要があります

そのため、まずは「賃貸 → 滞在生活の確認 → 将来的な購入を検討」というステップで進めるのが、リスクの少ない選択です。

賃貸 vs 購入:詳細な比較

項目賃貸購入
初期費用比較的少額:
・保証金(通常1〜2ヶ月分)
・初月家賃+契約手数料など
高額:
・頭金(物件価格の20〜30%)
・登記費用、弁護士費用、税金など合計で物件価格の10〜15%前後
柔軟性高い:
・引越しや住み替えが容易
・地域を試しながら選べる
低い:
・売却には時間と費用がかかる
・市場の下落リスクも
滞在目的短〜中期滞在、移住の初期フェーズに最適長期滞在、資産運用、将来的な永住を目指す場合に有効
税金家賃に税が含まれていることが多く、税務負担は比較的少なめ不動産譲渡税(IMT)、印紙税、固定資産税(IMI)など複数の税負担が発生
資産形成資産形成は難しい不動産として保有資産を築ける(将来的な収益化も可能)

賃貸から始める戦略

1. まずは賃貸で生活をスタート

ポルトガルに中・長期滞在を検討する場合、まずは賃貸住宅で生活を始めて「自分に合ったエリア」「生活コスト」「インフラ環境」などを実体験から把握するのがおすすめです。

  • D7ビザ、D8ビザ(デジタルノマド)などの申請時には、住居契約書が必要な場合もあるため、申請前に中期契約(Aluguel temporário)を結ぶことが多い。
  • 初期はIdealistaやUniplacesなどを使って「1〜3ヶ月」の住居を確保し、その後じっくり長期物件を探す戦略が定番です。
  • 賃貸契約書は、住所登録(Atestado de residência)や税務手続き、銀行口座開設にも使用されるため、早めに整えるのが理想。

2. ビザ更新・生活の安定化を経て次のステップへ

賃貸生活をしばらく続けながら、ポルトガルの制度や居住のリズムに慣れていくことで、より長期的な視点での滞在計画を立てやすくなります。

  • D7ビザ → 滞在延長 or 永住申請
  • D8ビザ → 自営業登録 → 自営業ビザへの切り替え
  • 家族の帯同、就労の可否など、自身や家族の状況に応じたビザの再検討も視野に

特にポルトガルでは、5年の合法滞在を経ると永住権申請が可能となるため、中長期計画を立てやすい制度設計になっています。

3. 不動産購入を検討するタイミング

ある程度生活が安定し、地域やライフスタイルが明確になってきた段階で、不動産購入を検討するのが現実的です。

  • 将来的な資産運用や老後の居住拠点として購入する日本人も増加中
  • 海沿いのリゾート地(アルガルヴェ)や地方都市では、リタイア層やリモートワーカー向け物件の人気が高い
  • NIF(納税者番号)と銀行口座があれば、外国人でも購入自体は可能
  • ただし、購入にあたってはIMT(譲渡税)・IMI(固定資産税)・公証人・弁護士費用などが発生するため、費用総額と法的なリスクの把握が必須

補足:ゴールデンビザ制度は原則廃止済み

以前は「50万ユーロ以上の不動産購入で長期滞在資格が得られる」ゴールデンビザ制度が存在しましたが、2024年に住宅投資を対象外とする法改正が行われ、現在は居住用物件の購入によるゴールデンビザ取得は不可となっています。

そのため、不動産購入=滞在許可という考え方は現在の制度下では通用しません。あくまで生活の安定や資産形成の一環として購入を検討するのが賢明です。

よくある質問(FAQ)

ビザ申請に賃貸契約書は必須?

はい。多くのビザ申請で本人名義の賃貸契約書が必要になります。

家具付き物件は多い?

都市部では「Mobilado(家具付き)」が主流。冷蔵庫・洗濯機も含まれる場合が多いです。

英語だけで家を借りられる?

一部の仲介業者は英語対応ですが、契約や手続きは基本ポルトガル語。翻訳サポートを使うのが安心です。

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