スペインビザ申請時の私的(民間)医療保険|加入は必須!どの保険が使える?

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スペインへの移住や長期滞在を計画している方にとって、ビザ申請前の医療保険加入は見落とせないポイントです。
この記事では、なぜ保険加入が必要なのか、どんな条件が求められるのか、日本から加入できる保険会社はあるのかを徹底解説します。

目次

スペインのビザ申請に医療保険は必要?

医療保険への事前加入は必須

スペイン大使館や領事館では、中長期滞在ビザ(90日超)を申請する際に、民間医療保険の加入証明書を提出することが義務付けられています。

医療保険に関する申請条件(2025年時点)

以下は、日本でビザを申請する際に提出が求められる医療保険の条件です

要件内容
スペイン全土をカバー滞在先がどの都市でも医療が受けられること
入院・診療100%補償(免責なし)“sin copagos”と明記された、自己負担ゼロのプラン
有効期間が1年間以上ビザ申請期間全体をカバーしている必要あり
スペインの保険会社によるもの現地登録されている民間保険であることが原則

海外旅行保険では不可。スペイン国内で認可されている民間医療保険会社が発行した証明書が必要です。

どのビザで必要?

スペインでは、中長期ビザ(滞在90日超)を取得するために、原則として医療保険への加入が必須となります。
ビザの種類によって、必要な保険の内容(補償範囲・免責の有無・期間)は異なりますが、多くのケースで「100%補償」「免責なし」の条件が求められます。

以下に、代表的なビザごとに医療保険の加入義務とその条件を一覧にまとめました。あなたのビザに合った保険選びの参考にしてください。

ビザの種類保険加入の必要性解説
デジタルノマドビザ必須「sin copagos(免責なし)」かつフルカバー。ビザ申請前に加入が必要。
非営利ビザ
(Non-Lucrative Visa)
必須年間フルカバーの医療保険が必須。SNS加入は不可。
学生ビザ必須滞在期間を100%カバーする民間医療保険が必要。
家族再会ビザ必須扶養対象者も含めた保険加入が必要。就労がない場合は私的保険で対応。
起業家ビザ
(Entrepreneur Visa)
必須初期はSNS加入前のため、民間医療保険が求められる。
ゴールデンビザ
(投資家ビザ)※廃止予定
必須SNS非対象のため、私的保険が必要。将来的な制度変更に注意。
就労ビザ
(企業スポンサーあり)
条件付き(△)雇用主が社会保険に登録すれば保険加入は免除。申請時に確認を。
EU市民の家族ビザ条件付き(△)扶養資格・労働可否によりSNSでカバーされる場合あり。初期は私的保険が安全。
短期滞在ビザ
(90日未満)
必須シェンゲンビザ申請時に€30,000以上の医療カバー保険が必要。旅行保険で可。
永住権・市民権の更新不要SNSにすでに加入していれば追加保険は不要。

ビザ更新時や現地滞在中はSNSで代替できる?

SNS(Sistema Nacional de Salud)は、スペインの公的医療制度です。スペイン国民や社会保険加入者は、原則無料で診察・治療を受けられます。

一部のケースでは、公的医療制度(SNS)への加入で代替可能

たとえば

  • ノマドビザ更新時にスペインで社会保険(Seguridad Social)に加入している場合
  • 自営業者として正式に登録(Autónomo)し、保険料を支払っている場合

このような状況であれば、SNS加入証明書(Certificado de afiliación)を使って更新時の保険条件を満たすことができます。

日本から加入できるスペイン対応の保険会社

日本在住者でも以下のスペインの保険会社にオンラインまたは代理店経由で加入することが可能です。

保険会社特徴日本から加入
Sanitas外国人・ノマド向けプランあり。英語対応◎オンライン契約可
Asisa非営利ビザ申請者向けプラン多数代理店・フォーム申請可
Adeslasフルカバーで低価格プランあり。信頼性高い現地提携代理店経由
DKV Seguros品質重視。日本語対応代理店も一部ありメール・PDF契約可

プラン名に「sin copago」「residencia no lucrativa」などと記載されているものが、ビザ申請に対応したプランです。

医療保険契約時によく出てくる用語 「sin copago」「residencia no lucrativa」

用語解説と分類表

用語意味・直訳説明関連する場面注意点
sin copago「自己負担なし」
(copago = 自己負担)(sin = なし)
医療サービス利用時に追加費用(自己負担)が発生しない保険プラン。100%カバーされる。スペインビザ申請時の保険条件に必要(特に非営利ビザ・ノマドビザ)一部の保険は”copagoあり”なので、ビザ用には不適合
residencia no lucrativa「非営利滞在」
(収入を目的としない居住)
スペインの就労を伴わない長期滞在ビザ(Non-Lucrative Visa)を指す。主にリタイア層・自営業以外の方が対象。医療保険プランの商品名や対象者の区分によく使われる医療保険側で「residencia no lucrativa向け」と書いてあれば、ビザ提出用条件を満たしていることが多い

補足ポイント

  • sin copago は保険のプラン内容に関する用語で、「ビザ条件を満たすかどうか」の判断材料になります。
     → 逆に con copago(自己負担あり) のプランは、ビザ審査で却下される可能性が高いです。
  • residencia no lucrativa は、保険会社側が「この保険は非営利ビザ用に適していますよ」と示すために記載するケースが多いです。
     → 「Digital Nomad向け」や「Estudiante向け」など、他のビザにも応じた保険名称が使われています。

保険選びの実践的チェックポイント

保険証書・商品説明に以下のような記載があるか確認しましょう:

  • Cobertura completa sin copago(自己負担なしのフルカバー)
  • Válido para solicitud de visado de residencia no lucrativa(非営利ビザ申請に有効)

スペインビザ申請用|医療保険加入の流れ(例:Sanitas)

STEP
プランの選定

申請するビザの種類に応じたプラン(例:非営利ビザ向け「residencia no lucrativa」プランや、ノマド向けプランなど)を選択します。
特に 「sin copago(自己負担なし)」・「100%補償」・「1年間有効」であることが、多くのビザ要件で共通の条件となります。

※ 各保険会社では、ビザごとに専用プラン名が設定されていることが多く、たとえば以下のような表記があります:

  • 「Plan Residencia no lucrativa」= 非営利ビザ向け
  • 「Digital Nomad」= ノマドビザ向け
  • 「Estudiante」= 学生ビザ向け

申込時は「どのビザで使いたいか」を明確に伝えるとスムーズです。

STEP
オンライン申請 または メールでの連絡
  • 氏名・パスポート番号
  • 申請するビザの種類(例:Digital Nomad)
  • 保険の開始日・希望期間(通常は渡航予定日から1年間)
  • 現居住国(日本)と連絡先

その後、条件を満たすプランの見積もり(Presupuesto)がPDFなどで送られてきます。

STEP
支払い・契約書(保険証明書)の受領

保険内容に問題がなければ、指定された方法(クレジットカードや海外送金など)で支払いを行います。
支払い完了後、数日以内に以下の書類がメール等で届きます

  • 保険契約書(Póliza)
  • 保険証明書(Certificado del Seguro Médico)※ビザ申請用

この証明書は、ビザ申請時にそのまま提出できる公式書類であり、通常はスペイン語または英語表記で発行されます。

STEP
証明書をビザ申請書類に添付して提出

取得した保険証明書を、他のビザ申請書類と一緒にまとめて、スペイン大使館または領事館へ提出します。
この保険証明書が「ビザ審査で最も重要な書類のひとつ」となるため、内容が条件を満たしているか、念のため再確認しておきましょう。

「sin copago(自己負担なし)」「100%カバー」「1年有効」の記載が見える状態で印刷・提出するのが安全です。

注意点・失敗しやすいポイント

  • 海外旅行保険や「免責あり」のプランでは却下される可能性あり
  • 保険の開始日は「渡航予定日」に合わせて設定(入国前に保険が有効である必要あり)
  • 保険証明書は「スペイン語」または「英語」で用意(和訳不可)

まとめ|ビザ申請前に必ず保険は準備を

スペインの中長期ビザを取得するには、スペイン政府が認める民間医療保険への加入が前提です。

  • 加入は“申請前”に必須。後からでは間に合いません。
  • オンライン契約・PDF証明書発行が可能な保険を選べばスムーズ
  • SNSは滞在中・更新時に役立つが、ビザ申請時の代替にはならない
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