「定年後に、まさか自分が海外に住むなんて思ってもいませんでした。」
60代で日本を離れ、タイのチェンマイに移住したAさんに、移住を決断した理由や現地での生活について伺いました。
リアルな経験談だからこそ伝わる、定年後移住のリアルな「メリットと覚悟」。これから海外移住を考える方へのヒントが詰まっています。
Aさんプロフィール
- 名前(仮名):Aさん(男性)
- 年齢:66歳(取材時)
- 出身:東京都
- 移住前の職業:大手メーカー勤務(定年退職)
- 渡航時期:2021年
- 現在の居住地:タイ・チェンマイ
- 移住形態:単身/リタイアメントビザ
インタビュー|Aさんの移住ストーリー
Q1. なぜ「定年後に海外移住しよう」と思ったのですか?
Aさん:
正直、最初は「老後に海外なんて無理だ」と思っていました。でも60歳を過ぎたあたりから、将来の生活が現実的なテーマになってきて、「年金だけで東京に住み続けるのは厳しいな」と。
それで、たまたまテレビで「タイ・チェンマイで年金暮らし」という特集を見て、興味を持ちました。気候もいいし、物価も安い。それなら“お試し”で行ってみようかと。
Q2. 移住前に一番不安だったことは何でしたか?
Aさん:
やっぱり医療と言葉ですね。病気になったらどうしようとか、英語もタイ語も話せないし。
でも実際には、日本語が通じるクリニックがチェンマイには何軒もあって、海外保険にも入りました。翻訳アプリも使えるし、思っていたより対応できました。
Q3. 現地の生活費はどのくらいかかっていますか?
Aさん:
ざっくりですが、月10〜12万円あれば不自由なく暮らせます。
- 家賃(サービスアパート):月3万5,000円
- 食費:月2万円くらい(外食が中心)
- 光熱費・通信費:月5,000円ほど
- 保険:年10万円(日本で加入)
年金で十分カバーできています。日本のときより出費がかなり減りましたね。
Q4. 孤独感やホームシックを感じることはありませんか?
Aさん:
これは正直、あるにはあります。ただ、日本人コミュニティが思った以上にしっかりしていて助けられました。
週に一度のお茶会や、麻雀・囲碁・将棋の集まりもありますし、LINEグループで助け合ってます。「老後の同窓会」みたいな雰囲気で、孤独は感じませんね。
Q5. 今、移住を振り返ってどう思いますか?
Aさん:
「もっと早く試しておけばよかった」と思うくらい快適です。
もちろん、日本にいたら得られないストレスもあります。でも、それ以上に「人生の後半を自分で選べた」ことに価値を感じています。
ただし、いきなり完全移住ではなく、“数ヶ月の試し住み”から始めたのが良かったと強く思います。
Q6. 「数ヶ月の試し住み」とは、どのように始めたのですか?
Aさん:
私の場合は、まず3ヶ月間だけタイに滞在するという形で始めました。
観光ビザで入国して、チェンマイにあるサービスアパートメントを1ヶ月単位で契約。ホテルより割安で、キッチンや家具もついているので生活感もありました。
現地での日常生活を体験するために、以下のようなことを意識していました:
- 観光は最小限、スーパーや市場での買い物を中心に
- 地元のカフェや食堂で日常的に食事してみる
- 役所・病院・銀行にも実際に足を運んでみる
- 日本人会のイベントに参加して、知り合いをつくる
3ヶ月経つ頃には、「ここなら住めそうだな」という実感が湧きました。
この試し住みをしたことで、「戻るか、進むか」冷静に判断できたのが大きかったですね。
Q7. 移住に向けた準備で、特に大変だったことはありますか?
Aさん:
やっぱりビザと医療保険の手続きですね。60代だと特に、健康状態の証明や保険の条件が厳しくなるので、事前に調べるのが大変でした。
タイのリタイアメントビザを取るには、以下のような条件があるんです:
- 50歳以上であること
- 預金残高や年金収入の証明(一定額以上)
- 健康診断書や無犯罪証明の取得
- 医療保険の加入(補償額の最低条件あり)
特に苦労したのが、日本で取得する無犯罪証明書。警察署に何度も足を運んだり、英文書類のやり取りも必要で、手続きに1ヶ月以上かかりました。
さらに、医療保険も60代だと保険料が高くなるので、何社も比較して、現地で使える保険を探すのが一苦労でした。
でも、一つひとつ紙に書き出して、順番に潰していくことで整理できたのは良かったと思います。
Aさんからこれから移住を考える60代へのメッセージ
「60代だから遅い、ではありません。むしろ、時間と自由がある今こそ、“自分で人生を選び直すチャンス”だと思います。
少しでも興味があるなら、“お試し移住”だけでもぜひやってみてください。現地の空気を吸うと、不安よりワクワクが勝つと思いますよ。」
編集後記|リアルな声が教えてくれる「移住の現実」
Aさんの体験から見えてきたのは、60代からの移住は“夢物語”ではなく“現実的な選択肢”になってきているということ。
情報や準備さえしっかりすれば、日本の年金でも安心して暮らせる国はあります。
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